小説家になろう

第35回 2017.4.18

必要だったのは、安心できる場所。

形に現れないそれに、惹かれ、焦がれる。


胸を枕に



momo

物語

ロックシールド男爵家の少女アイラは、
五歳の時に両親を亡くしたが、
ゴルシュタット侯爵夫人カリーネに救われた。

成長し、十九歳になったアイラは、
カリーネに呼ばれ、屋敷を訪ねる。

てっきり、縁談の話をされると思っていたが、
カリーネからは、夫エドヴィンの頼みとして、
不眠に悩む国王の為に、
昔から子供の寝かしつけが得意だった
アイラの力を借りたいと依頼される。

そんな馬鹿な話があるものかと、
最初は疑ってかかったアイラだが、
カリーネ達に他意は無く、
藁にも縋る思いであることを知り、
侯爵家への恩返しとして、
この依頼を受けることにした。

城に到着したアイラは、
エドヴィンと挨拶を交わした後、
召使いとなる、中年女官マリエッタと、
護衛となる、
リレゴ公爵家の次男ベルトルドを紹介される。

その後、王であるシェルベステルと会ったアイラは、
不眠によって「死なせてくれ」とまで呟く姿を見て、
絶句する。

寝かしつけの為に寝台に上がった後、
どうすべきか分からなかったアイラは、
エドヴィンの「いつもするように」という言葉を聞き、
一旦元の部屋に戻って、寝間着に着替える。

平常心を取り戻したアイラは、
寝台の上でシェルベステルを抱き寄せ、
弟との思い出話などを話した。

やがて、シェルベステルは、
アイラに対し安心感を覚えると共に、
亡くなった兄について語り始める。

シェルベステルは、自身の力不足によって、
兄を死に追いやったことを悔いているが、
王という立場のため吐き出せないでいた。

それに気付いたアイラは、
両親を亡くしたときの自分と重ね、
王という立場など関係なく、
悲しい時は泣いていいのだと、
シェルベステルに語る。

そうしてシェルベステルは、
アイラへ縋るように抱きしめながら、
声にならない声を上げて泣き、
心地よい眠りに落ちていった。

翌朝、シェルベステルから感謝された後、
ほぼ寝ていないアイラは、
元の部屋で眠ることにする。

眠っていたアイラが、
肌寒さで不意に目を覚ますと、
目の前にはベルトルドがいた。

しかし、夜這いという雰囲気ではなく、
アイラの臭いをかぐという奇行をされ、
驚き、悲鳴を上げ損ねるが、
そこにやってきたマリエッタが、
ベルトルドを怒鳴りつけた。

ベルトルドは、
シェルベステルの不眠を解消したアイラには、
何か特別な力があるはずだと思い、
今回の行動に及んだと説明し、謝罪した。

その後もシェルベステルは、
眠るためにアイラを必要とし、呼ばれるが、
これによって、後宮の女性たちに目をつけられ、
様々な嫌がらせを受けるようになってしまう。

登場人物

▼アイラ
ロックシールド男爵家長女。十九歳。
二つ下の弟、リゲルがいる。

五歳の頃に両親を亡くしており、
そのときカリーネに救われたことから、
彼女に返しきれない恩義を感じている。

昔から、夜泣きする赤ん坊を、
寝かしつけることが得意で、
不眠に悩む国王シェルベステルを、
寝かしつける役目を与えられる。

貴族の結婚適齢期ギリギリだが、
結婚願望はなく、
男爵家を継いだ弟が妻を迎えたら、
修道院に入るという人生設計をしている。

田舎育ちのため木登りなどが得意で、
ネズミや蛙、蛇なども怖がらない。

▼カリーネ
ゴルシュタット侯爵夫人。
夫のエドヴィンは宰相を務めている。

両親を亡くしたアイラたちを憐れみ、
財産を狙う者たちから守ると共に、
貴族として必要な教育を二人に施した。

息子サイラスの夜泣きに悩まされ、
乳母と共にノイローゼ気味になっていたが、
アイラが抱くと泣きやむことを知り、
ノイローゼが解消された過去を持つ。

アイラのことを大切に思っており、
王の元へ送る際も、
何かあった場合は全責任を持って、
アイラの事を取り計らうことを誓った。

▼ベルトルド
リレゴ公爵家次男。
城へやってきたアイラの護衛を務める騎士。

苦労なく騎士の位が与えられる、
高位貴族にありがちな、
剣も扱えない名ばかりの騎士と違い、
従騎士から正式に騎士となった実力者。

幼い頃に読んだ物語に憧れ、
両親の反対を押し切って騎士を目指すなど、
目的に一直線な性格。

とことん突き詰める気性のため、
夢中になると周囲が見えなくなり、
時に奇行に及ぶこともある。

それ以外は身分も実力も申し分なく、
国王からの信頼も厚い人物。

▼シェルベステル
イクサルド王国の国王。
悪政を敷いた父を殺して王位についた。

正妃腹の兄クリストフェルこそが、
王に相応しいと考えていたが、
クリストフェルは少年期に、
大病で子種を失っており、
そのため妾腹にもかかわらず、
王位を譲られた過去がある。

クリストフェルの死後、
不眠を患っており、
精神的に不安定な状態が続いていた。

最初はアイラを拒絶していたが、
眠りを得られたことで、
彼女に感謝するようになる。

その後も不眠は続き、
アイラへの依存が高まっていく。

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今回の調査対象者
調査期間:2017/03/18-2017/03/31
年齢:女性40-49歳
好きな作品ジャンル:突然の出会いと冒険 系

上記コンテンツは、株式会社博報堂DYデジタルが保有する調査パネルデータの分析結果をもとに、対象者によく読まれている作品をピックアップし、紹介しています。

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