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第45回 (2017.09.12)

自分のせいで、閉じていた人生。
やり直しを得て、意思で変える。


リバース ─ 公爵令嬢はヒキガエルの夢を見る

久條 ユウキ

物語

"魔力飽和"という病で体中に瘤がある醜さから、
『ヒキガエル』と呼ばれていた、
ローゼンリヒト公爵の末娘であるエリカは、
側近テオドールに裏切られ、殺される。

しかし、不思議な事に、殺されるもっと前、
子供の頃、メイドに崖から突き落とされた
直後の自分に戻っていた。

魔力飽和の病を抱えたまま、
戻ってしまった事に絶望しながらも、
今度は、最後まであがいて生きようと決心する。


以前の人生では、この事件の後、
泥の中で助けを待って救出されたが、
今回は、冷えた身体を少しでも温めようと、
数歩先にある大きな岩の上を目指した。

するとその途中、
光の精霊王ルクレツィアが現れる。

神の気まぐれによって、
死に戻ってきたと思われるエリカに
興味を持ったルクレツィアは、
「一矢報いたいか」とエリカに尋ねる。

エリカが「見返してやる」と答えると、
ルクレツィアは、エリカの余分な魔力を吸い、
結果的に、魔力飽和の病は完治し、
エリカは意識を失った。


救出され、部屋で目を覚ましたエリカは、
"銀灰色の髪"を持つ父、フェルディナンドと、
"銀色の髪"を持つ兄、ラスティネルを見て、
反射的に、以前の人生で自分を殺した、
テオドールの"銀髪"を思いだしてしまい、
錯乱し、寝込んでしまう。


数日たって回復したエリカだったが、
髪色に対するトラウマが払拭できず、
父と兄を遠ざけてしまっていた。

回復を知って訪ねてきた父と、
直接話す事が出来なかったエリカは、
「見返してやる」と誓った事を思い出し、
トラウマを克服しようとするが、
本当にできるのか、不安は消えなかった。

その時、兄が茶色のかつらを被り、
部屋に訪ねてくる。
エリカは、兄の優しさに心を打たれ、
泣きながら兄に抱きつく。

兄弟愛を確かめることができたエリカは
この機会にと、以前の人生を夢として、
兄とメイド達に話した。

話を聞いた兄は、
それを「予知夢」ではないかと言い、
エリカを殺害しようとする、
金髪と銀髪の人物の絞り込みと、
不心得者の人事異動が始まることとなった。

そして、エリカは、
魔力飽和の病が治った今、
自信が持てなかった自分を変えようと、
まずは外見から変えていくことにし、
髪を切り、美幼女に変身した。


数日後、次は父の髪色を
克服しようと考えたエリカは、
仕事で、領内の視察に出向いていた父を、
夜の玄関で出迎える。

父はエリカを見て驚き、
感無量の余り、その場で膝をつき、
ボロボロとただ声もなく涙を流し始めた。

その姿を見て、父の愛情に気付いたエリカは、
"銀灰色の髪"へのトラウマは溶け、
父の首にぎゅっと抱きついた。


エリカが死に戻ってから、
ひとつの季節が過ぎ去ろうとしていたころ、
父から「外の世界も体験してみないか」と提案される。

いきなりの外界は少し不安だったエリカは、
まずは人の少ない所から始めたいと考え、
邸から少し離れた場所にある、
特別庭園へ毎日通うことになった。

ある日、エリカが特別庭園内を散策していると、
薄紅色の髪をした少女が、
木の根元で気絶するように
眠っているのを発見する。

付き添いで庭園に来ていた、
父の知り合いであるキールは、
彼女を、異世界から現れる、
『落ち人』ではないかという。

彼女の事が心配になったエリカは、
邸に連れて帰ることにした。


『落ち人』である少女が
エリカの部屋で目を覚ますと、
彼女は、「自分は主人公」だと言い出し、
さらにはエリカを「陰気娘」と貶した。

エリカが途方に暮れていると、
兄が、エリカを侮辱した怒りで
部屋に飛び込んできて、
少女に「出ていけ」と言い放った。

少女は、
「主人公なのになぜ愛されないのか」
と必死に訴えだし、
その姿に、死に戻る前の自分を見たエリカは、
少女と二人だけで話をする事にする。

二人きりになった後、エリカは少女に話しかけ、
「主人公だから」と繰り返す彼女をビンタする。
突然の事に驚き、怯える彼女に対し、
エリカは死に戻った自分の人生を伝え、
「今度こそ、幸せになりたい」と言った。

エリカの態度を見て、感じる所があった少女は、
涙を流しつつ、
愛されたかった兄から拒絶され、
絶望の中にいた時に、
ふとしたきっかけで、ここに来た事を明かす。

エリカは少女の心情に共感し、
それを感じた少女は、大声で泣き始めた。
エリカも彼女の隣で静かに泣こうとした時、
それを察した少女に、
「泣かないでえええええええっ!!」
と飛びつかれ、勢いで背面に頭をぶつけてしまい、
痛さのあまり、涙が引っ込む。

こうして、二人の少女は、
この世界を生き抜く友達となった。

登場人物
エリカ・ローゼンリヒト
魔力飽和という病により、
身体中に瘤があったため、
家族と親しい人々以外からは、
『ヒキガエル』と蔑まれていた。

側近テオドールの裏切りに気付かず、
殺されてしまうが、
神の気まぐれらしき意思によって死に戻る。

今度は、最後まであがいて生きよう決意し、
出会った精霊王に強い意志で答えた結果、
魔力飽和の病は治り、新たな人生を歩む。

フェルディナンド・ローゼンリヒト
王都より少し離れた土地を領地として持つ
公爵家の当主。
エリカの父親で、彼女を溺愛している。

火の魔術に適性があり、
上級魔術を使用できる。

領地に腰を落ち着ける前は、
王都で騎士団を率いており、
王国髄一との声もあった実力者だった。

ラスティネル・ローゼンリヒト
フェルディナンドの1人息子で、
エリカの兄。

治癒属性という特殊な属性を有しており、
10歳にして、専門の治癒術師を
唸らせるほどの腕前を持っている。

エリカを妹として大切に思っており、
「銀髪が怖い」とエリカに拒絶されるも、
悪い夢を見たのだろうと、
魔除け効果のあるローズマリーを送ったり、
茶色のかつらを被って接触を試みる。

エリカから、夢に出てくる
金髪の女と銀髪の男の話を聞くと、
予知夢と受け止め、
その人物を探し始める。

少女
『落ち人』と呼ばれる、
異世界からエリカの世界に転移してきた少女。
薄紅色の髪とチェリーレッドの瞳を持つ。

地球にいた際はゲームの主人公として、
周囲に愛されてちやほやされていたが、
兄にだけは愛されず、
拒絶された結果、精神病院に入れられていた。

自分と真剣に対話してきた
エリカの態度に共感し、
大泣きした後、友達になる。


作品を読む

今回の調査対象者
調査期間:2017/08/21~2017/09/04
性別:女性
年齢:40~49歳
好きな作品ジャンル:嫌われ者やり直し系
上記コンテンツは、株式会社博報堂DYデジタルが保有する調査パネルデータの分析結果をもとに、対象者によく読まれている作品をピックアップし、紹介しています。

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